昨晩の宿も素泊まりで温泉でもないので、朝は起きたら支度を整えてすぐにチェックアウト。
今日は午前中軍艦島クルーズの観光船に乗る予定です。まずは発着場のある長崎港ターミナルへ。バイクは近くのゆめタウン夢彩都の駐車場に停めました。

帆船の向こうにある白い船がこれから乗る観光船です。

8時50分に乗船開始。

30分ほどで軍艦島に到着。ガイドさんに「おめでとうございます」と言われました。波の高さによっては上陸できないことも少なくないそうで、実際、ここ数日も結構上陸できないことが多かったのだとか。

軍艦島全景。

総合事務所の跡。右側の建物からエレベータで坑道に入っていっていたのだとか。

島の人口が増えて水不足になったために本土から引かれていた水道管の跡。

ここを通して水道管が来ていた模様。

正面の黒い建物は、日本初の鉄筋コンクリート7階建の建造物だそうです。

奥の建物は端島小中学校。手前に並んでいる柱は石炭輸送用のベルトコンベアの跡だとか。

島の建物はかなり劣化していますが、閉山前はこのような光景だったそうです。

それが今やこのような光景に。

管理職用の特別な住居棟。一般の作業員は共同風呂しかなかったけど管理職はお風呂つきの住居だったとか。

島内のガイドツアーが終わり、船に戻って今度は周囲から軍艦島を周遊します。

釣りをしている人がいましたが、どういう人なんでしょう。一般人はツアーでないと上陸できないはずなので、管理関係の人?

南側からの眺望。

西側からの眺望。軍艦島の正式な地名は「端島」ですが、この角度からの眺めが戦艦土佐にそっくりだったことから、軍艦島、と称されるようになったそうです。確かに戦艦っぽいです。

だいたい鉄筋の建物ばかりですが、ここの崩れているあたりには木造建築があったのだとか。

海辺に立つこれらの住居棟は、炭鉱施設を台風等から守る役目もあったそうです。なので、窓は小さく、海側に廊下があって住居は内陸側になっていたのだとか。

この右側の出っ張ったとこの上にも釣り人が居たんですよね。ここは立ち入り禁止区域ではないのかしら。

北側からの眺望。

東側からの眺望。これでツアーは終了です。長崎港に戻ります。

女神大橋です。

丘の上にあるのは、有名なグラバー亭。

ツアー終了。近年、どんどん建物の劣化が進んでいるらしく、見れる時に見ておかないといずれは見られなくなってしまうので、今回、とても貴重な経験ができてよかったです。

ちょうどお昼時なので何か食べようと思い、港のお店へ。

一日3食限定というメニューがなぜか残っていたので、釣られて食べてみました。新鮮組本気丼、美味しかったです。

長崎港ターミナルにあった軍艦島模型の説明版。そこに石炭があるのを見つけたとは言え、小さな島を拠点に地下1000m、幅600m以上に亘って海の下に掘られた坑道自体が想像を絶する信じ難い環境ですが、そこに24時間3交代でこもって家族を守るためにひたすら働き続けた人々。ただただ頭が下がります。

さて、その後は長崎の原爆資料館などを見学しに、いったん市内に戻ります。バイクの駐車料金は無料。

車の駐車場の中でどこに停めようか迷っていたら、警備員の方が建物の正面に誘導してくれました。
向こうにある黄色い建物の左側に、昨晩泊ったホテルセントポール長崎が見えます。

長崎原爆資料館です。今回のツーリングでは、広島と長崎の資料館をハシゴする形になりました。それをテーマに今回の旅行を計画したわけではないのですが、世の中もきな臭くなってきているので、あらためて愚かな人間の行いについて考えるよい機会になりました。

原爆投下の時間で止まったままの時計。

広島型(リトルボーイ)よりも一回り大きな長崎型原爆(ファットマン)。方式も異なり、広島型はウラン爆弾で、長崎型はプルトニウム爆弾だそうです。この程度の大きさの爆弾があれほど莫大なエネルギーを生むこともなかなか実感がわかないですが、それどころか今やこれの何千倍もの威力をもつ爆弾が製造されているなんて、人類は本当にどこまで愚かなのか・・・

ニュース映像等でしか見たことのなかった平和記念像。隆々とした肉体から、堀の深い洋風の顔立ちを想像していましたが、近くで見るとアジア顔だったのがちょっと意外でした。

長崎刑務所浦上支所の跡がそのまま公園の中心になっているとは知りませんでした。

・・・何も言えないですね。

原子爆弾落下中心地碑。

浦上天主堂遺壁。

護岸工事の現場から出てきた、被爆当時の地層だそうです。

別にここだけの話ではなく、人々が平和に日々を暮らしているように見えるこの町の下にの至る所に、実はこのような爪跡が残されているのでしょう。。。

母子像。

さて、場所は変わって、ここはいきなり阿蘇。
今日のフェリーの出航時間は23:55という遅い時間なので、長崎観光のあとどこにいくか、大宰府とかいくつか考えてみてはいたのですが、昨日お会いした福岡のオジサンから、阿蘇の野焼きの話を聞いたのをきっかけに、せっかくだから阿蘇を回って帰るコースに組み直したのでした。野焼きをしている光景は見れませんでしたが、野焼きをしたらしい形跡は見ることができました。

大観峰に着いたのは17時過ぎ。駐車場は17時が閉門時間だったようで、仮に閉門されていたらこの写真は撮れなかったのですが、たまたま観光バスが駐車場内に残っていて、閉門がそのバス待ちになっていたので、その隙に写真を撮ることができました。せっかく来たのだから、ここで写真を撮れるのと撮れないのとでは大違い。

そして、東京九州フェリーの新門司ターミナルに到着。いつも利用しているオーシャン東九フェリーとちょっと似てるようでちょっと違う名前ですが、こちらは2021年7月に就航したばかりで今回が初利用です。
オーシャン東九フェリーが新門司〜徳島〜東京の運航なのに対し、こちらは新門司〜横須賀の間を運航します。

まだ出航までに2時間ほどあるので、途中で夕食を食べたかったところですが、阿蘇〜新門司の間の高速に気の利いたサービスエリアが全くなく、新門司に下りてからもお店が全くなく・・・次回利用時の教訓です。

とりあえずターミナルの待合室に軽食コーナーがあったので、おそらく冷凍のチャーハンを食べましたが、意外に美味しかった(笑)。まだフェリーにバイクを乗せなければならないのでお酒は飲めません。

帰りの船室は、ツーリストS、という個室を選んでみました。一応個室は個室なのですが、事前に調べたところ「内側からしか鍵がかかかりません」との解説があり・・・

・・・どんな仕組みかと思ったら、おトイレの鍵と同じ方式でした。なるほど、納得。
個室といっても完全な個室ではなく、ドアの上は開放空間で廊下とつながっているので、周囲に音が筒抜けだし、この鍵をかけていないとドアが内側に勝手に開く構造になっているので外出時のセキュリティはありません。かといってこれ以上の部屋になるとちょっと豪華で高い部屋になってしまいます。その点ではオーシャン東九フェリーの部屋のラインナップの方が私にはちょうどよい気がします。

ただ、オーシャン東九フェリーは船内レストランがないのに対し、こちらは船内レストランありです。
もうかなり遅い時間ではありますが、旅の疲れを癒すのにビールを飲まないとね。

さっきチャーハンを食べちゃったので、食べ物はおつまみ程度にしときます。

船内の感じも豪華です。オーシャン東九フェリーはトラック野郎ご用達、東京九州フェリーは観光客もある程度想定している感じでしょうか。
ただ、出航〜到着時刻はオーシャン東九フェリーの方が旅に便利で、東京九州フェリーはその点がちょっと遅い時間過ぎるのと、横須賀発着ってのが使いどころを選びますね。往路には使いづらいので、使うとしたら復路かな、と思います(東京起点で考えた場合)。

本日の走行ルート。今回のツーリングの中では1日の最長距離でした。